ぶらり訪問記 No.023

訪問先:
早良高等学校 和太鼓部

今回は福岡市早良区小笠木にある「早良高等学校 和太鼓部」を訪問した。

周りは見渡す限りの緑、その自然の中に佇む白い校舎の早良高等学校。

とにかく素晴らしい環境に恵まれた学び舎である。

都心に近い学校では音のトラブルで多くの問題を抱え練習方法などにかなりの神経を使っているがここではそんなもの、なんのその、少々の音ではびくともしない、和太鼓部にとっては最高の環境である。

この早良高校和太鼓部は学校の部活動として2010年に結成され今年で14年目というたまだ歴史が若い和太鼓部であり現在部員は9名、顧問の藤野英二教諭、副顧問の稗田翔一教諭、そして部長の井上凛香さん、副部長の安武愛彩さんを中心に、学校行事や地域のイベントなどに積極的に参加、地元の地域社会に大いに貢献している和太鼓チームである。

練習会場は校内敷地の奥に「セミナーハウス早良」という建物があり、ここが和太鼓部専用の練習場になっている。高校の部活動として自分たちでしっかりとスケジュールを組み、毎日ここで練習が行われている。

早速、練習を見学させてもらった。

やはりまずは体のほぐし、柔軟体操から、と思いきや、いやいや結構きつい筋トレ体操が入っている。確かに和太鼓でいい音を出すには、足腰を安定させ、しっかりとした体つくりも大切ではあるがメンバーを見るとほっそりとした若き乙女・・・。私の孫娘も別の学校ではあるがほぼ同年齢で、現在、吹奏楽部で頑張っているのだが、はたして、もしこの和太鼓部に入部したとしたらついて行けるのだろうかと想像して・・・苦笑い・・・。

筋トレが終わった後、続いて基礎打にもしっかりと時間をかけて行っており、振りの動作もしっかりと確認をしながら行われていた

素振りも交え一つ打ちから8分音符、16分音符、三連符等、細かくきちんと指示されており、さらに打楽器で一番大事な強弱、そしてシンコペーションによるアクセントの位置移動までの要素が基本練習に盛り込まれている。

私は今までに和太鼓チーム以外でもいろいろな楽団やバンドを見てきたがその時に皆に話すことは「下手なバンドほどよく合わせたがる」ということを伝えている。

自分のパートがしっかり叩けて、そこで初めて合奏する権利を得るのであると。これこそ合奏の基本である。

このチームの練習スケジュールを見てみると、しっかりと「自主練習」の項目が書かれている。基本の大切さ重要さをきちんと理解してるようである。

この自主練習の時間の使い方・内容の充実こそがこのチームの更なる上達への近道になるような気がする。

~木谷の独り言~

短時間ではあるがこのチームと接しているといろいろと見えてくる。

問題が起こると、このチームはメンバー自ら自主的に解決しながら物事を進めている。かりにいろんな人からアドバイスを受けたとしても、メンバーが納得しないと取り入れない、相手が言っていることは理解できたとしても、その内容を自ら納得しないかぎり取り入れない。納得できてこそ初めて自分らの知識になる事をこのチームは理解しているような気がする。

この和太鼓チームのメンバーにはきっと早良高校の優秀な精鋭たる若者が集まったクラブに違いないとふと感じた。

またこの和太鼓部には、お二人の顧問・副顧問の先生方がいらっしゃるが、イベント演奏などにはお二人の教諭自ら生徒と一緒に演奏を行うとのこと。何とすばらしいことか、是非一度拝見させて頂きたいものである。

この和太鼓部のメンバーは現在少人数の構成である。和太鼓の演奏においては圧倒されるような迫力も大きな魅力であるが迫力ばかりが和太鼓の魅力ではない。少人数でもいろいろな種類の和太鼓を使い、そして篠笛も加わりバランスの取れた演奏を行うことも和太鼓演奏の魅力でもあり素晴らしさでもある。たぶんこのメンバーが知恵を出してまとまればきっとよそが真似をできないような特徴のある早良高校和太鼓部が誕生するに違いない。

今後ますますの活躍と、さらなる飛躍を期待したい。

最後に「リズムが持つ、自然の強弱」をもう少し理解するともっともっとこのチームは上達するに違いないと思いつつ早良高校を後にした。

<チームデータ>
創立:2010年
拠点:福岡市早良区小笠木
分類:創作和太鼓チーム
団員数:現在9名 
構成:高1/3名,高2/4名、教諭/2名

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