和太鼓・太鼓バチ・チャッパ・篠笛などの保管方法や使用方法・豆知識をご紹介いたします。

バチについて

和太鼓を叩くのに必ずと言って良いほどバチを使用しますが、演奏する太鼓 に合ったバチを使うのが太鼓も傷めず上達するポイントです。また、同じ太鼓でも演奏する曲目によって使用するバチを替える場合もあります。 バチの種類は材質、太さ、長さ別に揃っています。

太鼓の胴について

代表的な太鼓の種類である長胴太鼓(宮太鼓)について解説します。 昔から造られているのが、くりぬき胴太鼓です。その名の通り一本の木からくりぬいてから太鼓の形に成形していきます。くりぬき胴の特徴は見た目の美しさと音響的に一番優れていることです。

しかしながら高価なため資源確保も困難になり、くりぬき胴に代わる次世代の太鼓胴として集成胴を製造しています。わかりやすく説明しますとウヰスキー樽の製法と材料も技術的にも似ています。さらに太鼓胴としての強度と音響加工を施し、今日に至るベストセラーとなっております。価格がケヤキくりぬきの約半分で軽くて丈夫で音も良いため、教育現場を中心に数多くお使い頂いております。

太鼓の皮について(どこの部位を何太鼓に使うのか?)

一頭分の牛皮からどの様に皮を裁断するかは、それぞれの太鼓屋のノウハウにより違いがあります。そこが楽器造りの上でのメーカーの味とも言えます。3尺以上の大太鼓になると一頭分の大半を使いますが、脇の方で締太鼓の様な小物も取れます。三丁掛以上の締太鼓になりますと、一番厚いお尻の皮を使います。

耳付と耳無しについて(縁付、縁切り)

太鼓の皮を張り上げるのに必ず必要な部分ですが、伝統的に切り落とさずに残す地方もあります。現在では残す事の方が多く、雨などに当たって皮が緩んでしまった時などに引っ張り直せる可能性が高くなります。阿波踊りの太鼓や、関西のだんじりでは耳が引っかからない様に切り落とします。

雨対策

雨の中でバイオリンを演奏したりしないのと同じで、太鼓という楽器も雨は大敵であります。雨の中での使用は避けて頂きたいのが原則ですが、そうも言えない状況もございます。雨の中でのお祭りや、屋外演奏中の突然の雷雨などはどうしても太鼓が濡れてしまいます。そうなってしまった時はアフターケアが大切になります。 水分は綺麗に拭き取りドライヤーやストーブ等で強制的に乾かさず、風通しの良い所で十分に乾燥させて下さい。扇風機で風を当てるのは効果があります。乾燥の原理は流れる空気が水分を吸い上げてくれることにあります。

太鼓の皮を張り替える目安は(時期)?

皮が破れるまで使用されても良いのですが、本番中に破れたのでは困りますね。一つの目安としては皮の打面がひどくザラザラに痛み、音が出にくくなった時が張替をするタイミングです。演奏方法にもよりますが、バチで皮を擦る様に叩かれる場合がこのような状態になりやすいです。

太鼓の保管方法や場所はどのように?

まず大切な事は、高温多湿な場所や直射日光が当たる場所を避けることです。では、よい保管場所とは「温度・湿度に急激な動きがなく、風通しのよいところ」です。太鼓の胴は木でできていますので、高温で乾燥している場所では胴が割れてしまったり縮んでしまうこともあり、また多湿なところでは胴がゆがんでしまうことがあります。

日本は年間を通して季節をみると多湿の季節もあれば、空気が乾燥する季節、暑い季節や寒い季節など様々です。年単位のゆるやかな移り変わりは自然が育んだ木の胴は対応して、大きな変化はありません。しかし、短時間(期間)に急激に環境が変化すると、胴は対応しきれずにさまざまな障害が生まれてきます。最近ではエアコンなどの普及により、夏でも室内では乾燥していることも多くなりました。昼間はエアコンが入っているけれども、夜になると停めてしまうことが多くあります。その場合は、夜と昼間との湿度差が大きくなり、胴が変形したり縮んだりするケースもあるようです。むしろエアコンなどがなくて、風通しのよい場所の方が太鼓の保管場所に適しているようです。

理想的な保管場所は周りを木々で囲まれた神社の本堂のような場所です。周りの木が年間を通して一定の湿度・気温に保たれ(自然はすばらしいですね)、また本堂のような空間は風通しもよくできています。実際には個人や太鼓グループではそうした場所を確保するのはかなり困難なことだと思いますが、保管場所を決める場合はできるだけそうしたイメージの場所を探してみてください。湿度が高いとナメクジなどが這う(皮を食べる)こともあります。またネズミなどの小動物が皮をかじることもあります。当然、そうした被害にあえば皮の強度が弱まったり、場合によっては使用できなくなることもあります。そうした小動物の被害に遭わないよう配慮も必要です。

皮には適度な油脂も含まれていますので、保革油などを塗ったりする必要はありません。あまり油脂が多いと逆に皮の強度を弱めたりします。またアルコールも厳禁です。盆踊りの太鼓などで日本酒を口に含んで太鼓に振りかけたりする光景がみられますが、太鼓の皮を溶かす成分がアルコールには含まれていますので、こうした行為はしないほうがよいでしょう。 基本的な手入れとしては、使用した後は固く絞った雑巾などで皮の表面や胴などの汚れを落とすことです。こうしておけば表面の埃や砂等の汚れをとって太鼓の寿命を延ばしますし、また太鼓を大切に扱おうという気持ちも生まれます。 保管は出来るだけ風通しの良い所が望ましく、カビや虫喰いを防ぐ上でも有効です。

※適さない保管場所
屋外設置のスチール物置、長期間の車内、押し入れ等

チャッパは何でできているのか?

真鍮合金製です。常に叩かれる楽器ですので、金属疲労を起こしヒビ割れが生じる事があります。その場合は寿命ですので事故防止の為、使用を中止して下さい。

チャッパの手入れ法

チャッパは真鍮製ですので、使用するにつれて皮脂等で黒ずんでしまいます。毎回使用後に布で拭きあげるだけでも違いますが、ちゃんぽん磨きというクリームを使って磨くと更に綺麗に磨けます。市販のピカールなどは粒度が粗いのであまり適しません。金属疲労でヒビが入る場合がありますが、その時は事故防止の為、使用をお止め下さい。

篠笛の取り扱い、保管法

篠笛の材料となる篠竹は自然のものですので、温度や湿度に大きく影響を受け易く、乾燥しすぎると音程が悪くなったり、最悪の場合は割れてしまいます。夏場に車の中に入れたままにしたり、冬の暖房の効いた室内は高温になり、急激に乾燥しますので十分に注意してください。また、使用した後は必ず管内の水分を取り除いてください。ガーゼのようなもので管内を掃除するとよいでしょう。また、必ず笛袋にいれて保管されることをおすすめします。

太鼓チームを作りたいのですが、どうすればよいでしょうか?

太鼓を始めるのに必要な条件は、まず太鼓を叩く仲間、それに太鼓を叩く場所、必要な太鼓の確保、指導者の確保です。これらがすべて揃えばいつでもスタートできます。

太鼓は自分ひとりで叩いても決して楽しいものではありません。みんなで一緒に叩くから楽しいのでしょう。気のあった仲間が数人集まれば、それで太鼓チームができます。まず、一緒に太鼓を叩ける気のあった仲間を集めてみてください。

都会では大きな音が出る太鼓を叩こうにもなかなか場所がありません。それらの地域では、防音がきいたスタジオなどを利用するとよいでしょう。また、皆さんの地域にある公共の文化ホールや生涯学習センター、コミュニティセンター、福祉センター、公民館などの音楽室、リハーサル室などを探してみてください。かならず練習に使える場所があるはずです。

では、太鼓はどうしたら・・・。太鼓を始めるには練習ができる場所に太鼓がすでに用意されていて自由(有料でも)に使えることが必要です。スタジオなどでは有料で太鼓をレンタルしているところもありますので、そのようなスタジオを捜すこともいいでしょう。また、太鼓がない場合ですが、その際は一緒に始めたメンバーで太鼓を購入する方法です。最近、増えてきたのが全員で会費を募って、欲しい太鼓をクレジットで購入し(あるいはリース)、毎月支払っていくという方法です。毎年、1台づつ増やして・・・というのではいつまでたっても練習ができないので、実際には難しいといえます。

そして、重要なことは最初のうちは必ず太鼓の指導者について基礎を習うことです。基礎ができさえすれば後は自分たちでも何とかなります。基本を大切にし、練習を重ねればきっと素晴らしいチームができあがると思います。何事も基本が肝心です。そして、1曲叩けるようになったら、どこかでファーストステージを踏んでください。

目標ができれば毎回の練習に気合が入り、練習内容が充実してきます。また、レベルアップのためにはプロの太鼓奏者が行なっている短期間の講習会に参加するのもよいでしょう。さあ、頑張って始めてみてください!