ぶらり訪問記 No.013

訪問先:和太鼓 もも

和太鼓 もも

北九州市を拠点に幅広く活動している「和太鼓もも」を訪問した。

このチームは北九州市の公立保育所に勤務する保育士が自主的に集まって1994年にチームを結成、来年創立30周年を迎えるという個人的和太鼓チームとしては非常に長い歴史のあるチームである。

リーダー藤野美佐子氏を筆頭に30年という長きにわたり心身ともに健全な子供たちを育むことを目的として活動を行い、また地域社会に密着し多くの貢献を残してきた和太鼓チームである。

現在メンバーは11名、ベテランの保育士たちだけで構成されているとてもユニークでまた艶やかな女性だけの和太鼓チームである。

チームの名前は1994年の桃の花の咲く3月に結成されたため「もも」という名前を付けたとのこと。

このチームは全員が保育士の為、楽譜が読める。そのためメンバー同士でのやり取りはリズム譜を使ったり昔からの伝承方法である口唱歌を使いながら行っているので意思の疎通が早い。
このチームの最大の強みは何といっても保育士としての能力、力量、パワーである。
保育士は仕事上、なんでもこなさなければならない。通常の業務内容以外に運動会も、発表会も、とにかく何でもやらなければならない。

このパワー、根性がこのチームの力の源である。

このチームには特に音楽専門の指導者がいないためメンバー全員で曲の解釈、演出、構成、振付などを本音で話し合いながら解決、決定している。だからこそ30年という長きにわたりこのチームが存続できた秘訣なのかもしれない。

このチームのモットーを聞いてみた。

音楽や和太鼓合奏のレベルを上げていくのも大事ではあるが、「子供たちの人間育成」や「人としての心の豊かさ」を主眼に置き活動しており、見てくださる方みんなが喜んでくれる演奏をしたい。
見てくれる方みんなを楽しませてあげたい。みんなが楽しんでくれればきっと私たちも楽しいに違いないという思いを抱きつつどうしたらみんなを楽しませることができるかを日々試行錯誤をしながら練習に励んでいるとのこと。

これは保育士として長年培ってきた、すべての人への配慮・思いやりの気持ちではなかろうか。日本人の心・おもてなしに相通ずるものがあるような気がする。

日頃の練習は原則月4回、専用の練習場がないため公の会場を毎回事前予約して行っている。
予約するのも一苦労、やっと取れても、練習の度、太鼓を車で持ち込まなければならない。
やっと取れた2時間の配分は楽器の搬入で15分、片付けが15分残った練習時間が90分。分刻みの作業であるが長胴太鼓もひょいと一人で担ぐ、さすが保育士パワーである。

今日の練習は来週、叙勲祝いのための演奏依頼があったのでその通し練習。

練習の前に柔軟体操、まずはしっかり体をほぐしてから・・・。

演奏する曲は3曲。
どの曲にもきめ細かい演出が随所に施され見るものすべてが楽しさの雰囲気に包まれていた。
そして演奏者たちの笑顔、最高である。

木谷の独り言

女性だけのチームではあるが艶やかさの中にも力強さがありその微妙なバランスがこのチームの魅力であろう。

若き保育士からベテランの保育士まで年齢差は結構幅広そうだがこのメンバー構成がこのチームの存続を保っている。

新入部員は「こもも」と呼ばれベテランの保育士を「もも」と呼んでいる。「こもも」がいずれ「もも」に成長し、また次の「こもも」を育成していく。今後も長く長く引き継がれていかれんことを心より願いつつ来年の30周年の演奏会の成功を心より祈りたい。

このチームの最大の魅力、艶やかさと力ずよさに脱帽!

そして ~うっとり~

ぶらり訪問記で紹介したチームについてのお問い合わせは
西日本楽器 和太鼓事業部の担当小林(090-3603-5647)まで

ぶらり訪問記」のTOPへ戻