ぶらり訪問記 No.032
訪問先:太鼓原人
今回は古賀市を拠点として幅広く活動をしている和太鼓チーム「太鼓原人」を訪問した。

このチームの創立は、2001年、今年で創立24年目を迎える、私設の和太鼓チームとしては歴史のあるチームであり、現在、団員は42名の大所帯、組織のユニットは小学生を中心とした小学生チームと中学生以上の大人の方を中心とした成人チームに分かれている。

練習会場は古賀市天神にある古賀西小学校の体育館の中にある小教室にて行われており、小学生チームが毎週水曜日の19時30分から20時30分まで、成人チームが毎週金曜日の19時30分から21時まで行われている。
この練習会場には、太鼓の保管場所もあり、すぐに機材の出し入れができるため、練習時の太鼓の搬入・搬出はとても楽である。
太鼓原人は2001年に結成されて以来、地域の祭りやイベント、施設や教育機関へのボランティア活動などにも積極的に参加し、地域の活性化と青少年の育成活動を行う、まさに地域を愛し、地域に根付き、地域に貢献する若き太鼓グループである。
現在、代表の三好亮久氏を筆頭にリーダー瀧勇一氏、副リーダー中野由佳里氏を中心とした万全の態勢で指導・運営に当たっている。その執行部の下にチームの運営をつかさどる機材班、広報班、衣装班、練習班が設置されており、子供たちを安全に見守りながら支えるサポート体制がしっかりと出来上がっている。
代表の三好氏にお話をお聞ききするとテクニックや技術面重視より和太鼓という日本に長くから伝わる伝統の文化を通じて、人間として、良き社会人としてどうあるべきか、という礼節・マナーなど精神面の育成を小学生チームには重点的に行っており、和太鼓を通して人と人とのつながりの大切さ、和太鼓の響きの素晴らしさを伝えていくことを目標に日々練習に励んでいますと語ってくれた。


練習前の太鼓の準備を見ていると、機材の種類や数が充実しており、とにかくほとんどの和太鼓が揃っており立派な機材がずらりと並んでいる。
準備とセッティングが終わり練習開始時間になると、柔軟体操が念入りに始まった。~まずは体をほぐしてから~とても大事なことである。
その後、柔軟体操が終わるとすぐに基本打ちが始まった。

しかし部屋が狭く壁には吸音板もなく音の跳ね返りがひどくかなり大きな音である。~この件に関しては後程お話をしたい~
練習中、三好代表から厳しく注意を受けていた子供たちを数人見かけた。今の時代、我が子でさえ叱ることができない親がたくさんいるのに他人の子供を叱ってくれるとは・・・有難いことである。
我が子であろうと他人の子であろうと悪いことは悪いと子供の時からしっかりと指導するべきだと私も思っている。
叱られている内容は、もちろん演奏ができなかったからとかで叱られているのではなく、先生が話をしているのに、ほかのことをして遊んでいるとか全く集中ができてないときなどであるという事は付け加えておきたい。
よく父兄から叱らずに子供を自由にさせてやりたい、自由に育てたいとよく言われるが、少し勘違いされているのではと思うことがある。

自由とは人間として社会人として最低限ルールを守っている人にだけ与えられるものだと私は思っています。人様に迷惑をかけてチームワークを乱し自分の好き勝手なことをする人はただの我儘であり自由という言葉は当てはまらない。三好代表の指導はチームとしてのまとまりを育み、チームを結束させ、一つの目標にみんなで力を合わせて向かっていく、とても大事な重要な事だと思います。
私自身も同じような意味の言葉を大切にし自分の指針としています。
「権利の主張には 義務と責任が伴う」と・・・・
このチームのメンバーは今からも、これから先もずっとチームワークを大切にしながら音楽レベルの向上だけではなく人間としての心の豊かさをも身に着けてもっともっと活動してくれるに違いないと感じます。
次にこのチームの音楽指導者について紹介したい。このチームには特定の指導者としての存在はない。先ほど紹介した組織の中の練習班が中心に指導を担っており練習班全員で曲の解釈、演出、構成、振付などを話し合いながら解決、決定している。
練習班のメンバーは瀧氏を筆頭に、ほとんどが若者であるが、考え方も音楽の知識も礼儀作法も今の若者には珍しいぐらいしっかりと持っている。
しかしただ一人若者と言っていいのかどうかわからない不思議な人物の存在がある。その人物の名前は渋田直樹氏で年齢不詳であるが彼は倉敷の作陽音楽大学出身で専攻はピアノ演奏コースの出身とお聞きしている。
このような方が練習班の一員としておられることはなんとも心強いことである。これ以上にない、申し分のない指導体制でなんとも頼もしい限りの指導陣である。
~木谷の独り言~
この太鼓原人のチームの素晴らしさはチームのメンバーの人柄の素晴らしさにある。それと合わせて和太鼓の演奏を音楽としての概念で表現しようと常に考えて努力しているところにあるような気がする。
固定観念にとらわれず、人の意見やアドバイスをしっかりと聞く力を持っており、その中から納得したものだけを取り入れていく。すごいことである。
演奏者の気持ちや心がどうしたら聞いてくださっている観客の皆さんに伝えることができるのかを常に一生懸命考えている。そして更に次の時代にどうして継承していくべきかという事さえ常に考えている。素晴らしいことである。久々にこのようなチームに、メンバーに、出会うことができた。
しかしただ気になる大きな問題が一つ残されている。それは先ほど少し述べた練習会場の音の問題である。
今の練習会場は部屋が狭く壁には吸音板もなく音の跳ね返りがひどくかなりの大きな音の中での練習環境である。
これではいくら音楽知識のある有能なスタッフがいたとしてもスタッフの音楽能力の半分も活かし切れていない。とてももったいないことである。
アンサンブルの一番大切なことはというと、私は音のバランスを真っ先に挙げる。
しかし今の劣悪な環境では音のバランスをとるどころの騒ぎではない。
能力はあっても聴きとることができない。音は跳ね返り、飛び回り、アタック音と共鳴音が鳴り響きながら渦を巻いている。
また聴覚にも異常をきたしてもおかしくないぐらいの音のレベルである。
早急に解決すべき事項である。私も微力ながらお手伝いをしていくつもりである。
太鼓原人は古賀市の宝であり子供たちの希望の存在でもある大切なもの。市政の協力や学校などの教育機関とのタイアップ、地域及びご父兄、市民のご協力を頂きながら末永く後世へ残していかなければならない大切な文化だと思う。
このチームのメンバーは今からも、これから先もずっとこの「太鼓原人」で培ってきたチームワークを大切にしながら音楽レベルの向上だけではなく人間としての心の豊かさをも身に着ける良き社会人として、そして地域のリーダーとして育っていくに違いない。
このチームの今後ますますの発展と活躍を心より期待したい。
ぶらり訪問記筆者:木谷慶一
<チームデータ>
太鼓原人
創立:2001年
拠点:古賀市天神
分類:創作系和太鼓チーム
団員数:現在42名
代表:三好亮久
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【定休日:毎週月曜日・火曜日】