ぶらり訪問記 No.020
訪問先:
大和青藍高等学校 和太鼓部
今回は直方市にある大和青藍高等学校 和太鼓部を訪問した。
直方市は、福岡県の北部に位置し筑豊を構成する自治体の一つで、飯塚市、田川市と並んで筑豊三都に挙げられ、北九州都市圏にも属しており、市民全体のうち15%が北九州市へ通勤・通学している。
遠賀川が流れその背景には福知山、鷹取山、尺岳が連なり自然豊かな地区である。また高取焼も有名である。
その直方市の中心にある直方駅のすぐ近くに位置する大和青藍高等学校。
この和太鼓部は「優心太鼓」と命名され2013年に結成され今年で11年目を迎えるまだ若きチームである。
現在部員は9名、部長の二見さん、黒田さん、蓑原さんの3人の3年生を中心として学園祭や文化祭、地元でのイベントなどに積極的に参加、地元の地域社会に大いに貢献している和太鼓チームである。
~木谷の独り言~
まず、練習場に入るとすぐに部訓が目に入った。
「時を守り、場を清め、礼を正す」太鼓道を学ぶ者にとっても、社会人としても、そして日本人としての、とても大切なことだと改めて心に感じた。
更に、黒板に日頃行う練習内容がびっしりと書き込まれていた。
学校の部活動として毎日しっかりと練習を行っている。その練習内容を見ると結構、基礎打ちに時間を費やしていることがわかる。素振りを交え一つ打ちから8分音符、16分音符、三連符等、細かくきちんと指示されており、さらに打楽器で一番大事な強弱、そしてシンコペーションによるアクセントの位置移動までかなり高度な要素が基本練習に盛り込まれている。ここに指導者の素晴らしさと力量が感じさせられる。
しかしどんなに素晴らしい指導者がいても部員の普段の練習がもっと重要になる。日頃しっかりと部員全員が毎日のカリキュラムである基礎練習の意義を理解しその意味を納得して普段の練習に臨み、そして週に一回合同練習で先生に見てもらう、この循環が空回りせず、しっかりと定着すればこのチームはもっともっと成長するに違いない。いや間違いなく上達する、そう感じた。
もう一つ感じたことがある。大半の部員が楽譜を読むのが得意ではない。だから3年生を中心に全員が座って円陣を組み口唱歌でリズムを読み、歌い、手合わせで膝を叩きながら楽曲の解釈を行っている、これこそ楽譜を読める者にとっては驚きである。初見でリズムを演奏し、いきなり暗譜をして、更にメロディーもない楽曲を体で覚えてしまおうとするものであり、とても難しいことを一度にまとめて行っているようなものである
ピアノに例えると、与えられた楽曲をいきなり両手で練習するよりも、左手だけをしっかり練習して安定させ、そのうえで右手のメロディーを乗せてやる練習方法もある。先生から指示された課題を普段の練習の時に、易しく分解して練習する方法をみんなで考えてみるのも一つかもしれない。
今日の練習をもう少し見学したかったが1時間後に沖縄からバレー部が来校しているため急遽、歓迎演奏を行わなければならなくなり、あまり普段の練習を見学できなかった。
最後にこのチームの大事にしていることを尋ねてみると「楽しく演奏すること」と答えてくれたが全体的に少し元気がなさそうな感じを受けた。取材と言うことで少し緊張したのかもしれないが高校生のパワフルさがあまり感じられなかった。
たぶん新1年生も入ったばかりで、いろいろな面で自信が持ててなかったのではという気がしたが、このチームは結構基本レベルは高くて将来性があるので大いに期待したい。
このチームは「音を一つに、心を一つに」をモットーに日々練習に励んでいる。 頑張れ!優心太鼓
~近々もう1度訪れてみたい~
<チームデータ> 創立:2013年 拠点:直方市日吉町10-12 分類:創作和太鼓チーム 団員数:現在9名 構成:高1・3人,高2・2人、高3・4人 指導者:川原邦裕/週1回月4回