ぶらり訪問記 No.022
訪問先:南陵太鼓
今回は鞍手町を拠点として活動を再開中の南陵太鼓を訪問した。
このチームの創立は、なんと1985年、来年創立40周年を迎えるという、和太鼓チームとしては非常に長い歴史のあるチームであり、創作和太鼓チームの先駆者的存在のチームでもある。
当時、鞍手町には鞍手南中学校と鞍手北中学校の2校があった。その鞍手南中学校の文化祭で和太鼓の演奏を行ったのがきっかけで南陵太鼓が生まれ、その後、学校の授業や教育の一環としてこの南陵太鼓が代々、先輩から後輩へと脈々と受け継がれてきた。
しかし途中、9年前の2015年に少子化問題もあり、鞍手町に鞍手北中、鞍手南中の2校が合併となったが、鞍手南中の南陵太鼓の伝統文化を継承するために、新しい鞍手中学校に和太鼓部として新たに結成された。その指導は南陵太鼓の関係者が非常勤講師となり太鼓を通して青少年健全育成を行なってきている。
南陵太鼓の活動場所は、鞍手中学校内の和太鼓室であり、鞍手中学校の和太鼓部の支援を行いながら伝統文化の継承を実施している。
コロナ禍で南陵太鼓の活動もやむおえず休止せざるおえない状況となっていたが、昨年の令和5年より鞍手中学校の和太鼓を卒業したメンバーを中心に結成して最スタートを行っている。
心身ともに健全な子供たちの育成及び地域社会の活性化を図ることを目標に復活を目指して現在活動中であり、月2回の日曜日に9時から12時までの3時間行われている。メンバーは成人が大半であるため日、祭日が練習日となってしまうとのこと。
~木谷の独り言~
練習会場に入ると立派な練習室と太鼓備品庫があり、その充実した設備と機材の数に驚かされた。大平太鼓、大桶胴、桶胴太鼓、そしてたくさんの長胴太鼓、締太鼓、更には大型のうちわ太鼓まで。とにかくほとんどの和太鼓が揃っている。これほどの設備・機材には久々に出会った。
それと合わせて南陵太鼓の部訓が目に入った。立派な内容である。同じ音楽をやる人間として自分も常にこうありたいと心に感じた。
現在、指導においては先輩方と石原昭平氏を中心に行われており、練習内容を見させてもらうと、まずは礼に始まり、そして次に柔軟体操が念入りに始まった。まずは体をほぐしてから~とても大事なことである。
柔軟体操が終わるとすぐに基本打ちが始まった。
石原氏によると特にリズムの正確さ、そしてチームワークの大切さをモットーに力を入れて指導しているとのこと。メンバーの年齢差もかなりあり、経験豊かなOBとまだ経験が少ない若いOB、OG達との技量の差もかなりの開きがあるが、その差の穴埋めをしっかりと先輩たちが指導している。
普段どのチームも基本打ちのリズムを聴かせてもらうと、そのチームの力量と将来性がすぐに分かるがこのチームの叩く基本リズムは理屈抜きにして「本来リズムが持つ根源」をしっかりと理解しているし、アクセントの位置などリズムの自然体を知った生きたリズムを叩いている。
生きたリズムを理屈抜きで何回も何回もとにかく繰り返しの練習で体に叩き込んでいる。きっとこのチームはすばらしいチームに育っていくに違いない。
3時間の練習を見学しているとこのチームの課題も見えてきた。
石原氏の片腕として早くサブ指導者を育成し、そして鞍手中学校和太鼓部の卒業生だけではなくこの南陵太鼓を未来につなぐために、当初の南陵太鼓の組織にはあった子供たちを中心にしたジュニアチームも再復活させ、当時在籍数百数十名だった活気あふれる力強い南陵太鼓の再活動を心より期待したい。このことが今後の後継者継続の為の大きなカギになるのではと感じた。
「このチームは必ずいい和太鼓チームに成長する」
メンバーの皆さんがいつまでも絶やさず持ち続けていってほしい「笑顔とそして南陵魂」
もうすでに上がった・・・復活の狼煙・・・ 頑張れ「南陵太鼓」
~今後ますますのご発展とご活躍を期待しつつ、来年の9月に行われる結成40周年記念公演の成功を心よりお祈り申し上げます~
<チームデータ> 創立:1985年 拠点:鞍手郡鞍手町 分類:創作和太鼓チーム 団員数:現在16名 会長・指導者:林田誠、斉原直樹、石原昭平