ぶらり訪問記 No.026
訪問先:宇美太鼓

今回は、私の地元でもある糟屋郡宇美町を拠点として幅広く活動をしている宇美太鼓を訪問した。

私も宇美町の住人なので、地元の太鼓チームとあって、とても楽しみにしながら見学にお邪魔した。

このチームの創立は、1994年、今年で創立31年目を迎え、私設の和太鼓チームとしては歴史のあるチームであり、現在、団員は27名、一番若い方は小学3年生、一番年配の方は70歳代という、非常に幅広い年齢層の和太鼓チームである。

おじいちゃん、おばあちゃんがいて、息子、娘、そして孫がいるというような親子3代にわたっての幅広い年齢層の環境の中で練習に励んでいる、本当に、ほほえましいチームであり、またこのチームの良さでもある。

練習会場は糟屋郡宇美町の小高い丘の上にある井野小学校の体育館にて毎週日曜日の朝10時から13時まで行われている。

体育館の中に太鼓の保管室があり、すぐに機材の出し入れができるため、とても楽である。練習時、毎回別の場所から車で搬入・搬出を行っているチームから見ると、なんともうらやましいかぎりであろう。

メンバーが徐々に集まり保管庫から太鼓の出し入れが始まったが、出てくるは、出てくるは、平太鼓あり、長胴あり、桶太鼓あり、締太鼓あり、銅鑼あり、種類もさることながら台数もかなりの数である。

現在、地元を中心としたお祭りやイベント、施設や教育機関へのボランティア活動、また地元以外ででも演奏などをこなし積極的に活動を行っており、代表兼指導者である鬼塚龍也氏、及び副代表の藤川彰雄氏、野上湖郷氏を中心とした指導体制の下で、地域に根付き、地域に貢献している太鼓グループである。

またこのチームの代表である鬼塚氏は指導も兼ねながら、メンバーと一緒になって自ら長胴太鼓や担ぎ桶も叩き、更に篠笛の演奏までをこなしており、また2名の副代表と共に、このチームの楽曲の解釈、演出、構成、振付なども行ない、更に練習の時のマイク設営などPA・音響機器までのすべてをこなしている。

組織を維持するということは、とてつもなく大変な仕事であるが、メンバーみんなの力と情熱で何とかこなしているとのこと、本当に頭が下がる思いである。

~木谷の独り言~

時間になると早速練習が始まった。

まずは練習開始の挨拶から始まり、本日の練習のスケジュールなどのミーティングが行われた後、早速に練習が始まった。

今日の練習は近々、お隣、大野城市の七夕祭での演奏依頼のための通し練習であったが、曲の練習に入る前に準備運動を兼ねてのバチの素振りを行い、そのあとに四分音符、八分音符、16分音符、付点音符などの基本打ちをパターン化した基礎練習を10分ほど行ってから曲の練習に入った。

基本の重要さを常に理解させ、十分に基礎打ちの練習なども取り入れておりさすがである。

基礎打ちが終わって次は曲の練習に入った。

1曲目は遊遊という曲で笛と太鼓のアンサンブルの楽曲であった。

2曲目は我楽という曲。この曲にはフレーズごとの強弱の変化や、太鼓同士のパートとの対旋律のやり取りなどが組み込まれている楽曲であった。

どんな楽器の演奏でもffよりPPの演奏のほうが難しい。PPはただ小さく叩けばよいのではなく、しっかりとした音でもって、小さく表現しなければならない。このあたりの細かい部分を、もう少し工夫をすればこの曲はもっと良くなるはず。しかしこのチームはffやPPの演奏の時は太鼓のどの部分を叩けばよいのか、太鼓の叩く場所はしっかりと理解しているようだ。

和太鼓の場合、太鼓の中心を叩くと基音の音が強く表現され、逆に倍音は少なくなる。低音部などの基音を強調したい時などに中心を叩くことが多い。

PPなどの時の演奏は中心より少し縁側のほうを叩く方が倍音が多くなり音の響きが豊かになることを、このチームは理解して叩いていた。とても良いことである。

現在このチームには小学3年生から中・高校生、そして社会人までが在籍し非常に年齢差の広いチームであるが、これだけ年齢差が広ければ一つの曲を一緒に習得し表現していくことは、とてつもなく大変で難しいことである。

しかし練習を聴かせてもらっていると小学生や年配方の新人さんメンバーもしっかりとついて行っているではないか。

年齢層やレベル差などが常に課題になるが、経験の長い先輩方が新人さんや後輩に伝えている姿を見ると、31年という長い経験と知識が脈々と受け継がれている証なんだと、つくづく感じさせられた。

このチームは今後も、みんなが一緒になって共に築いてきた伝統と経験と知識で、様々な壁にぶち当たっても、きっと乗り越えて行ってくれるに違いない。

このチームはまだまだ、もっともっと伸びるはず。

そう思いつつ、このチームの今後ますますの発展と活躍を心より祈りながら、練習会場を後にした。

同じ地元の住民として、このチームをとても誇らしく思えてきた。

<チームデータ>
創立:1994年
拠点:糟屋郡宇美町
分類:創作和太鼓チーム
団員数:現在27名 
代表兼指導者:鬼塚龍也

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