ぶらり訪問記 No.027
訪問先:創笑会(そうしょうや)

今回のぶらり訪問記は、福岡市東区千早を拠点として幅広く活動をしている民舞系の和太鼓チーム「創笑会」を訪問した。

千早と言えば博多駅から10分圏内の福岡のベッドタウン地域であり西鉄千早駅とJR千早駅が一体化した、とてもモダンな街であり、香椎と隣接して福岡の副都心的な交通利便性の高い風光明媚な街である。

この東区千早を拠点に活動する「創笑会」の練習会場は音楽ホールや練習室などの設備が充実した「なみきスクエア」と言う公的施設の中の音楽練習室で日曜日に9時から12時までの3時間行われている。

この施設の中には、有料ではあるが太鼓の保管室もあり、すぐに機材の出し入れができるため、太鼓の搬入・搬出はとても楽である。

このチームの創立は、1990年、今年で創立35年目を迎え、民舞系和太鼓チームとしては長い歴史をもつチームであり、現在、団員は7名、福岡地区における民舞系和太鼓の先駆け的存在のチームであり結成当初からのメンバーである代表の堀信二氏、そして古川善也氏、さらに村山雅彦氏が加わり、この体制で長年にわたってチームをけん引し、このチームを導いてきた。

このチームの特徴としては、結成当初より長野県にある歌舞劇団「田楽座」の影響を強く受けており、創作系を中心とした太鼓チームとはちがい、お囃子を中心とした、地域に根付き、地域に貢献している太鼓グループである。

【メンバーの声】
私たちには35年間指導者がいません。お互いのたたき方やリズムなどを聞きあい、お互いをお互いで指導しています。こんな事がしてみたい、あれがしてみたいという思いは声に出して、そこからみんなで考えて作り上げていく、そのやり方を貫いています。練習場はいつも笑顔。仕事や家庭でのストレスをここで発散するメンバーもいますが、みんなで楽しく集中して短時間の練習を効率よく行っています。派手さはありませんがみんなが主役になれる、そんな団体を目指して日々精進しています。
・・・と語ってくれました。

名前の由来を尋ねてみると
名前の由来は、みんなで何かをしようという掛け声、「いいね!そうしょうや」という言葉からとりました。笑いを中心に置きたいと想い「創造して(創る)笑いのある会」という漢字をあてはめました。
見てくださっている方々に笑顔になってもらいたい。叩いている私たちも笑顔で叩きたいという気持ちが込められています。・・と答えが返ってきました。

35年という歴史の中で、2000年と2004年の2回自主公演を開催してきたが、来月8月24日にこのなみきスクエアにて、21年ぶりの自主公演を行うことになったとのこと、今回の自主公演のテーマは「感謝」だそうです。

多くの方々に支えていただき35周年を迎えることが出来たのもひとえに周りの皆様方の支えがあったからだと思います。今までかかわってくれた多くの方々に感謝して、またここから進んでいこうという想いで演奏を行います。
普段は太鼓以外の演目を披露することが少ない創笑会ですが、今回の自主公演は「踊り」や「篠笛」、「バナナの叩き売り」など、創笑会らしい楽しい演目を組み込み、観客の皆さんが笑顔あふれる舞台を創り上げようと日々練習に励んでいますとメンバー全員が意気込みを語ってくれました。

~練習開始時間の13時になると早速練習が始まった。
今日の練習は来月8月24日、21年ぶりに行われる自主公演の曲の練習であった。
今回は自主公演の通し練習のため、普段の練習内容などが見学できず残念だったが演奏会で行う曲の練習を見学させてもらった。

やはり民舞系の太鼓チームなので楽曲は、ほとんどが日本各地に伝わる民謡系の曲が多かった。

民舞とは、日本の各地に古くから伝わる舞踊のことで生活や労働の喜びや苦労、自然や神々への感謝など、人々の生活の中から生まれた踊りのことであり、祭りや年中行事などで踊られている。

こういったものは地域の伝統芸能として、口伝や実演を通して受け継がれ盆踊り(故人の霊を慰め、豊作を祈るために踊られる)や、豊作を祈願したり、田植えや収穫の喜びを表す踊り、また豊漁を祈願したり、海の安全を願う踊りなどがある。

~木谷の独り言~

ここ最近、日本の和太鼓は近年急激な発展を遂げており海外でも大きな反響を得ている。これには現代的なリズムを和太鼓で表現、演奏する創作系の和太鼓チームの貢献度がとても大きい。しかし和太鼓の原点はこの民舞系の代々受け継がれてきたものが土台になっていることも忘れてはならないし、またこれを外しては語ることはできない。

このチームの演奏は、毎年10月に弊社で企画・開催する太鼓ピクニック野外フェスタで幾度となく聞かせて頂いているが、とにかくメンバーの一人である村山雅彦氏の叩く地打ちのリズムは語り掛けるような、とても心地よいリズムを打ってくれる。

指揮者としての役割を持つ安定した地打ちのリズム、しっかりとテンポキープを行い、狂いだしてくる他のパートのリズムをうまくインテンポに導こうとするテクニック。そしてさらにアンサンブルで最も重要視される大事な各パートの音量バランス。すべて耳で聴き分けてリードしている。

このような安定した地打ちのリズムの上でこそ、メロディーや対旋律を担う長胴や桶胴が安心してリズムを打つことができ、そして舞い、そして踊り、更に笛方が自由に奏でることができるのである。

これこそが打楽器アンサンブルの極意であり、更にうまくなるための秘訣である。和太鼓チームの良し悪しは地打ちにあるといっても過言ではない。 ~他のパートの演奏をしっかり聞く耳を養う~ どんな楽器のアンサンブルでも最も大事なことであり基本中の基本である。

これだけ素晴らしい環境の中にあるこのチームはもっともっと伸びるに違いない。
次の代まで末永く継承していってくれるよう願いつつ今後ますますの発展と活躍を期待しながら練習会場を後にした。

ぶらり訪問記:筆者 木谷慶一

<チームデータ>
創立:1990年
拠点:福岡市東区千早
分類:民舞系和太鼓チーム
団員数:現在7名
代表:堀信二

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